年間1億2千万本以上!傘の消費量世界一の日本でレンタル傘事業はビジネスとして取り組める!?
九州が梅雨入りをしました。
さっそく雨が降っています。小雨がずーっと。
自転車とバイクが普段の移動手段のぼくにとってはなかなか嫌な時期です。
そこで必需品となってくるものの1つが「傘」。
タイトルの年間1億2千本以上というのが日本の年間消費量で、消費量世界一の国とされています。
コンビニでもバスの車内でもどこでも販売されているビニール傘。
そしてよく盗まれる定番アイテム。
治安の良い日本において、傘だけは別世界なのかと思うほど盗まれやすいのではないでしょうか。
お店に立ち寄り、傘たてに置いて買い物や食事をして、お店を出るときにはなくなっていたなんてことは日常茶飯事のように起きています。
そして、また数百円のビニール傘を購入する。
年間でみるとビニール傘を買うために5,000円近く使っている、なんてこともあるのではないでしょうか。
「世界一の消費量」と書きましたが、そもそもその国ごとの文化や習慣において傘の使用頻度の違いが大きく、傘をほとんどささない地域もあるようです。
レインコートやレインブーツが定番だったり、乾燥している地域では多少の雨でもすぐに乾くからほとんどささない(雨が長時間降り続けることも少ない)など、事情は様々です。
日本国内の傘レンタル事業
函館市が取り組んだ事業がニュースでも取り上げられていて記憶に新しいのではないでしょうか?
2016年3月、新幹線開業に合わせ函館駅、五稜郭駅、青函フェリーターミナル、函館空港などでビニール傘のレンタルサービスを始め、『おもてなし向上策』として取り組んでいた。
その結果、用意した2300本のビニール傘のうち2100本が未返却。1年で廃止を決定した。
函館市のホームページに寄せられた市民の声に対する回答も出ていました。
https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/citizensvoice/docs/2017041900013/
ほかにも取り組んでいる地域の中から一部抜粋すると、愛知県名古屋市の地下鉄では、累計の未返却が12万本だという。続けているのは寄付、遺失物を利用した「忘れた傘のリサイクル」ということです。電車内の忘れ物堂々1位は傘ですし、たしかにこれなら続けられるのかもしれません。
返却率ほぼ100%
驚異の返却率を誇るのが島根県松江市。利用方法に名前や連絡先の登録が必要で返却がない場合は連絡があるということで返却を促しているようです。図書館のような感じですね。しかし松江市もサービスを開始した当時はそういった登録をしていなかったようで、貸し出しをしていた600本のほとんどが返却されなかったそう。
企業でもレンタル事業
ダイドードリンコが、自動販売機で傘を無料レンタルするサービス「レンタルアンブレラ」を2015年より開始。現在は大阪府・京都府・和歌山など関西エリアにて、170台の自動販売機で利用できます。
試験段階でオフィスや施設内と繁華街などの屋外でレンタルアンブレラBOXを30台ずつ導入していたそうです。結果、繁華街などの返却はほとんどなく、オフィスなどの活用では一定の利用率と返却率があったようで、自動販売機の設置と合わせたサービスとして効果的かもしれません。
世界の傘のレンタル事業
ニューヨーク市内500カ所の店などに、傘のレンタルステーションの設置されており、ユーザーは専用アプリを通じて近辺に設置されている「ブレラボックス」を探し、傘をレンタルまたは購入することができる。
2015年、バンクーバーの大学からスタートしている「UmbraCity」
貸し出す傘にもこだわりがあり、すべての部品がリサイクルできる素材でつくられているのだとか。
共通する利用方法
事前の登録、料金の発生などが共通していました。スマホが普及している社会においてアプリで設置場所を探せたり登録ができたりするのは簡単に思えます。また支払いはクレジットカードやペイパルなどが利用できるようです。
バンクーバーの大学のUmbraCityは学生証で借りることができるので、日本でも共通していたオフィスなど限られた環境内での貸し出しは利用率も返却率も高いように思えます。
傘のデザイン
日本のように透明のビニール傘もしくは黒の傘よりも、海外のようにさしたり持っているだけでも明るいデザインの良い物だったりしたほうが、利用者としても気持ちが良いですし「返したい」「また利用したい」となるように思います。
おまけ
冒頭の写真のように、ポルトガルで「Umbrella Sky Project(アンブレラ・スカイ・プロジェクト)」と言われる街中に色鮮やかな傘を設置するイベントが行われています。
日傘無しでも太陽を気にすることなく歩けますし、空が見えなくても上を見上げるとこんなにカラフルだったら気持ちよさそうです。夏にポルトガル観光するなら、一度訪れてみてはいかがですか。